第64章 興味があるなら、阿部グループに来い、俺が教えてやる

丸々一週間、有岡里穂は解毒剤の調合に全神経を注いだ。配合は少しずつ形になり、阿部蓮太郎の容体も、先週よりは明らかに落ち着いている。

中毒症状そのものは軽くなった。だが、この一週間の連日の注射で、身体が解毒剤に対して耐性を作り始めていた。

「この解毒剤、入れたあと……まだ楽になる感じはある?」

有岡里穂は注射器を血管からすっと引き抜き、澄んだ瞳で阿部蓮太郎をまっすぐ見つめた。

阿部蓮太郎は言葉を返さず、ただ小さく頷く。けれど眉間の皺は、少しもほどけない。

一週間一緒に過ごして、有岡里穂にも分かってきた。――この表情は、めまいがまだ引いていない合図だ。

悔しさが胸を掠める。だがそれ以...

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